
「これだからゆとりは」と言われ続けて十数年
当時の文部科学省が「生きる力」をはぐくむために、新しい学習指導要領に沿った学習を義務教育で行ったことがありました。
俗にいう「ゆとり教育」です。内容はこんな感じ↓
引用:文部科学省 新しい学習指導要領の主なポイント(平成14年度から実施)完全学校週5日制の下で、各学校が「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し、子どもたちに学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせることはもとより、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむ。
⒈各学校が創意工夫を生かした特色ある教育、特色ある学校づくり
2.豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚の育成
3.多くの知識を教え込む教育を転換し、子どもたちが自ら学び自ら考える力の育成
4.ゆとりのある教育を展開し、基礎・基本の確実な定着と個性を生かす教育の充実
授業時数の縮減等・授業の一単位時間の弾力化。
・年間授業時数は、現行より年間70単位時間(週当たり2単位時間)縮減。
・高等学校の卒業に必要な修得総単位数は、現行の80単位以上を74単位以上に縮減。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1320944.htm(参照:2025-07-25)
今になって真面目に読むと、なんともふわっとした内容ですね。
そんなわけで、私も漏れずに「ゆとり教育」なるものを受けてきました。「ゆとり教育」を受けた方は、概ね1987~2004年生まれの方が該当するかと。
メディアが「ゆとり教育による授業時間削減が学力低下を招いたのだ」といった報道も相まって、ゆとり世代の印象は悪くなりました。
学習指導要領を決めたのは国なのに、その内容に沿った学習をしただけで「ゆとり世代は・・・」なんて言われて非難されるのは、どうなんでしょうねえ。
「では、バブルを経験した人間の方が偉いとでも?」と言いたくなります。
ちなみに、ゆとり世代だろうがなんだろうが、賢い人は賢いですし、素晴らしい成果を残す人はいくらでもいます。
Z世代も言われ放題な気がする
Z世代はなんと言われているのでしょうか。こんな感じ↓
引用:東洋経済 部下を育てたいなら理解すべき「Z世代」の3大特徴彼らのモチベーションは「金」や「モノ」ではないZ世代の人材を定着させるためには、まず特徴を知ることが必要です。「今の若いやつらは!」と考える前に、このZ世代の特徴を捉えてみましょう。
・自分から動き出せない
・注意されるとすぐめげる
・言われたことしかやらない、指示待ち
・責任ある仕事を任されることに不安を感じる
・自分の成長につながると思えないことはやらない
・情報にはとても強い
・貯蓄傾向にある
・メールで済ませる
・失敗を恐れ、間違いのない答えを求める
・楽に成果を上げたいと考えている
・年長者と話そうとしない
・上司との酒はきっぱり断る
・現実主義である
https://toyokeizai.net/articles/-/632059(参照:2025-07-25)
うーん・・・
これは一つのメディアを例に挙げただけですが、なんだかねえ。
こちらを読んでも「では、バブルを経験した人間の方が偉いとでも?」と言いたくなります(2回目)。
「今時の若いやつは」に潜む他責思考
悪者を作り上げて、全部〇〇が悪い!と言うのは楽です。そして、「今時の若いやつは」と若い人を責めるのは簡単です。ですが、本当に若い人だけが悪いのでしょうか。
生まれた時から不況が続き、失われた30年の中でずっと育ってきた彼・彼女たち。バブルで踊っていた、不動産価格がどんどん上昇、給料も初任給が30年で数十倍になる経験なんて一切なく、どことなく暗い世の中しか経験していない。
頑張れば報われる、未来は明るいと感じられる要素がなかったのです。
時代の流れもものすごく早くなり、今日新しかったものが明日は古くなり見向きもされなくなる。こんな移り変わりの早い時代はありません。
一方で、バブルを経験した人も今なんとなく暗い気持ちになっていると思います。
バブルの頃のような盛り上がりはなく、パソコンが普及し出したと思ったら、携帯電話、スマートフォン、ペーパーレス、オンライン会議にDX、テレワークへの対応、IoT、AIによる効率化。
目まぐるしく変化する現代に対応するのも大変、新しいことに適応するのも労力がかかります。
「思考が追いつかない。考えるのも面倒くさい」と一言で片付けてしまえばそれまでですが、若者たちの希望が潰えてしまわないようにする責任が、私たち年長者にはあると考えます。
現代を作っているのは我々なのですから。
ひとりで抱えるには重すぎるテーマです。しかし色々な方々が少しずつ取り組むのであれば、なんとかできそうです。
頑張れば報われるとは限らない世の中ですが、せめて若者には頑張った分報われる経験や場所を提供する、寛容さを提供する、それが我々大人の役割なのではないでしょうか。
他人の夢を潰さず、みんなでどうしたら幸せになれるのか、若者が希望を持てるようにするにはどうしたらよいのかを真剣に考え、自分ごととして行動する皆様を心から応援します。
<記事を作成するにあたり参考にしたサイト>
文部科学省 新しい学習指導要領の主なポイント(平成14年度から実施)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1320944.htm(参照:2025-07-25)
AERA 羽生結弦、高木美帆、大谷翔平の「ゆとり世代」が黄金世代になった理由
https://dot.asahi.com/articles/-/98763?page=1(参照:2025-07-25)
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自分の都合のいいことだけを聞いていれば、自分の世界は狭くなる【雑談】
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Wrote this articleこの記事を書いた人

あかぐり
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