高額療養費制度の対象となるケースは?上限額とマイナ保険証の活用もご紹介

高額療養費制度の対象となるケースは?上限額とマイナ保険証の活用もご紹介
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突然の入院や手術。高額な医療費に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、私たちを支えてくれるのが「高額療養費制度」です。

今回は、制度の基本から、上限額の目安、マイナ保険証を使った手続きの簡素化を紹介します。


高額療養費制度とは?

高額療養費制度は、医療機関や薬局で支払う自己負担額が、一定額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される公的制度です。経済的な理由で治療を断念することがないようにするための仕組みです。

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」(こうがくりょうようひせいど)があります。

上限額は、年齢や所得に応じて定められており、いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減するしくみも設けられています。

引用:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

対象となるケースと対象外の費用

この制度の対象となるのは、保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額が対象となります。

一方で、以下の費用は対象外となります。

  • 差額ベッド代(個室等を希望した場合)
  • 食費や住居費
  • 先進医療にかかる技術料
  • 自由診療(健康保険が使えない診療)
  • 通院のための交通費や雑費

自己負担の上限額はどれくらい?

上限額は、年齢や所得によって異なります。たとえば、70歳未満で年収が約370万円〜770万円の方は、1ヵ月(同じ月内)で自己負担額の上限が「約8万〜9万円程度」に設定されています。

高額療養費制度の対象となるケースは?上限額とマイナ保険証の活用もご紹介:厚生労働省 資料引用
引用:厚生労働省 高額療養費制度を利用されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(参照:2025-06-02)
高額療養費制度の対象となるケースは?上限額とマイナ保険証の活用もご紹介:厚生労働省 資料引用
引用:厚生労働省 高額療養費制度を利用されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(参照:2025-06-02)

同一世帯内で複数人が医療費を支払っている場合、世帯合算ができるケースもあります。

詳細は厚生労働省が公開している制度の資料をご覧ください。

また、自治体によっては、独自の医療費助成制度があり、医療機関の窓口での支払額が高額療養費の負担の上限額より低くなる場合があります。詳しくは、加入している医療保険やお住まいの自治体にお問い合わせください。


「限度額適用認定証」があると便利

高額療養費制度は、基本的に医療費を一旦全額支払い、その後に超えた分を申請して払い戻す仕組みです。しかし、事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、窓口での支払いを上限額までに抑えることができます。

事前に自己負担限度額を超えることが分かっている時

 通常は高額療養費の支給を受けるために、医療機関・薬局の窓口で一度全額を支払った後に区市町村へ申請する必要がありますが、事前に自己負担限度額を超えることが分かっている時は、「限度額適用認定証」を医療機関等の窓口で提示することで、窓口負担を上限額に抑えることができます。

限度額適用認定証はお住まいの区市町村での申請が必要です。

引用:東京都 保険医療局 高額療養費
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/kokuho/aramashi/kyuufu/kyuufu03(参照:2025-06-02)

健康保険組合や市区町村の国民健康保険担当窓口で申請できます。


マイナ保険証の活用で手続きがスムーズに

2024年度以降、マイナンバーカードと保険証を一体化した「マイナ保険証」を利用することで、限度額適用認定証が不要になるケースが増えています。病院側が保険情報をリアルタイムで確認できるため、支払いをスムーズに行えるのがメリットです。

これまで限定額適用認定証がなければ窓口で全額を支払い返金されるのを待つ必要があったのですが、マイナ保険証があれば窓口での支払いが高額療養費制度の上限額で済むのはとても楽ですよね。

マイナンバーカードを健康保険証として利用している方は、限度額適用認定証がなくても自動的に自己負担限度額まで制限されるため申請が不要です。
詳しくはお住まいの区市町村の国民健康保険担当窓口へお問い合わせください。

引用:東京都 保険医療局 高額療養費
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/kokuho/aramashi/kyuufu/kyuufu03(参照:2025-06-02)

払い戻しの流れと注意点

もし限度額適用認定証を使わず、医療費を全額支払った場合でも、申請により差額分が払い戻されます。申請後、支給まではおおむね3ヵ月ほどかかります。申請には、医療費の明細書や領収書が必要になるため、必ず保管しておきましょう。

Q3.高額療養費を申請した場合、支給までにどのくらいの時間がかかりますか。
A3.受診した月から少なくとも3か月程度かかります。
高額療養費は、申請後、各医療保険で審査した上で支給されますが、この審査はレセプト(医療機関から医療保険へ提出する診療報酬の請求書)の確定後に行われます。レセプトの確定までに一定の時間がかかりますので、なにとぞご理解ください。
なお、医療費のお支払いが困難なときには、無利息の「高額医療費貸付制度」を利用できる場合があります。制度の利用ができるかどうか、貸付金の水準はどのくらいかは、ご加入の医療保険によって異なりますので、お問い合わせください。

引用:厚生労働省 高額療養費制度を利用されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(参照:2025-06-02)

申請期限と計算の注意点

  • 医療費の自己負担額は、毎月1日〜末日までの1ヵ月単位で計算されます。
  • 対象期間の医療費は、2年以内に申請しなければ無効になります。

また、月をまたぐ入院などは注意が必要です。同じ入院でも、月を跨ぐと別計算となるため、負担が大きくなる可能性があります。


よくある質問(Q&A)

Q. クレジットカードで支払った医療費も対象になりますか?

A. 支払い方法に関係なく、健康保険が適用される医療費であれば対象です。

Q. 高額療養費制度と医療費控除は併用できますか?

A. 併用ができます。高額療養費制度で払い戻された分を差し引いた金額が、医療費控除の対象となります(高額療養費を申請して支給された金額は、医療費控除の計算式のうち保険金などで補填された金額に該当)。

高額医療・高額介護合算療養費制度も

高額医療・高額介護合算療養費制度という制度もあります。高額療養費の利用をしても負担が大きい場合は、適用できるか検討してみましょう。

Q7.高額医療・高額介護合算療養費制度は、高額療養費制度とは別の制度なのでしょうか。

A7.高額医療・高額介護合算療養費制度(以下「合算療養費制度」といいます。)とは、世帯内の同一の医療保険の加入者の方について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
高額療養費制度が「月」単位で負担を軽減するのに対し、合算療養費制度は、こうした「月」単位での負担軽減があっても、なお重い負担が残る場合に「年」単位でそれらの負担を軽減する制度です。詳しくは、ご加入の医療保険にお問い合わせください。

引用:厚生労働省 高額療養費制度を利用されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(参照:2025-06-02)

まとめ:制度を知って「いざというときの備え」を

高額療養費制度を理解しておけば、突然の病気やケガにも冷静に対応できます。さらに、マイナ保険証や限度額認定証を上手に活用することで、事前の負担も抑えることができます。

誰にでも起こり得る医療のトラブルに備えて、制度を活用し、「知っている」ことが安心につながります。

こういった制度を有効活用して、お金の心配や負担を減らしていきましょう。

<記事を作成するにあたり参考にしたサイト>
厚生労働省 高額療養費制度を利用されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(参照:2025-06-02)
東京都 保険医療局 高額療養費
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/kokuho/aramashi/kyuufu/kyuufu03(参照:2025-06-02)

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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Wrote this articleこの記事を書いた人

あかぐり

あかぐり

クレジットカードを使い続けて10年以上。初めてクレジットカードを作る人に向けて、また、サイトに来てくれた人の経験や知識に「ちょい足し」するべく、クレジットカードの実体験とお金に関する情報を発信しています。

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