
台風や大気の状態が不安定な時期になると、暴風による被害が急増します。強い雨だけでなく、風そのものが大きな危険をもたらすことをご存じでしょうか。
暴風は目に見えないため軽く考えがちですが、実際には非常に破壊力のある災害です。飛ばされた看板や植木鉢、割れたガラスの破片が大けがにつながることもあります。
さらに、屋根やカーポートが壊れたり、電線が切れて停電するなど二次被害も深刻です。
こうした暴風被害は、事前に備えることで大きく減らすことができます。
この記事では、家庭でできる暴風対策を具体的にわかりやすく紹介します。いざというときに慌てないよう、今から準備を整えておきましょう。
風速の目安を知る

https://www.data.jma.go.jp/multi/cyclone/cyclone_wind_advisory.html?lang=jp(参照:2025-09-24)

https://www.data.jma.go.jp/multi/cyclone/cyclone_wind_advisory.html?lang=jp(参照:2025-09-24)
風速ごとの被害の目安を知ろう
風速10mになると、傘が差せなくなり歩行も困難になります。15mを超えると、自転車やバイクが倒れやすくなり危険です。
さらに20mを超えると、看板や瓦が飛ぶなど建物被害が出始めます。30mを超えれば、大型車の横転や樹木の倒壊といった大きな事故に直結します。
数字だけでは実感しづらいですが、風速は暮らしに直結する大切な指標です。自分や家族の行動判断を誤らないために、風速と被害のイメージを把握しましょう。
日常的に気象情報をチェックし、数値が持つ意味を知ることが防災の第一歩です。
身近に起こる被害の例

風速10m前後では、植木鉢や洗濯物が飛ばされることがあります。15mになると、自転車が倒れたり、屋外の看板がぐらつくことも。
20mを超えると、屋根瓦が飛んだり窓ガラスが割れる被害も発生します。飛んできた物が人や車に当たると、大きな事故につながりかねません。
電線や電柱が影響を受けることで停電を引き起こすこともあります。
風の強さに応じて屋外の物を片付けるなど、早めの行動が重要です。
天気予報の数値を正しく理解する
天気予報では「風速◯m」と数値で発表されます。この数値は「10分間の平均風速」を示すものです。
実際には、その1.5倍以上の突風が吹くことも珍しくありません。例えば「風速15m」と予報されていても、一瞬で20mを超えることがあります。
突風や竜巻に近い現象は、短時間でも甚大な被害を与えます。数値を見て「危険レベルかどうか」を判断する習慣を持ちましょう。
家の外での対策
植木鉢や自転車、物干し竿は室内にしまう
強風時に真っ先に飛ばされやすいのが植木鉢や自転車、物干し竿です。飛ばされた物は人や車、窓ガラスに当たり、大きな被害を招く恐れがあります。
特に鉢植えや小型の家具は風に弱く、思った以上に遠くまで飛んでしまいます。自転車も風で簡単に倒れ、隣家や車を傷つける可能性があります。
物干し竿や洗濯ハンガーも、強風で舞い上がれば凶器になりかねません。暴風が予想される前に、必ず室内へ取り込むようにしましょう。
もし室内に置けない場合は、壁際に寝かせるなどして飛散を防ぐ工夫が必要です。
飛ばされやすいものはロープや重りで固定
ゴミ箱や収納ボックス、ガーデンチェアなども強風に弱いアイテムです。軽量のものほど、風の影響を受けて飛ばされやすくなります。
完全に片付けられない場合は、ロープで固定するのが有効です。ブロックや重りをのせて、動かないようにしておくのも効果的です。
ただし固定が不十分だと、逆に破損して飛散の原因になることもあります。
「どれくらいの風で動くか」を事前に想像して対策を取るのがポイントです。
カーポートや屋根まわりも事前に点検しておく
カーポートや波板屋根は強風の影響を受けやすい場所です。ネジが緩んでいたり、板が割れていると一気に飛ばされる危険があります。
屋根瓦やアンテナも、劣化が進んでいると暴風で外れる恐れがあります。普段から点検をして、異常があれば早めに修理しておくことが重要です。
特に台風シーズン前には、専門業者に依頼するのも安心につながります。飛んだ部材が他人や周囲の建物に被害を与えると賠償責任になる場合もあります。
家の中での対策
雨戸やシャッターを閉めてガラスを守る

暴風時に最も怖いのが、飛来物による窓ガラスの破損です。雨戸やシャッターを閉めることで、直接の衝撃を避けられ、ガラスが割れるリスクを大幅に減らせます。
普段は使っていない雨戸でも、台風接近時には必ず閉めるようにしましょう。シャッターがない場合は、窓に養生テープや段ボールを貼るだけでも補強になります。
特に南側や西側の窓は風を受けやすいので重点的に対策しましょう。事前にレールや鍵の動作確認をしておくことも忘れないでください。
カーテンを閉めるだけでも飛散防止効果あり
「カーテンを閉めるだけ」で何が変わるの?と思うかもしれません。
しかし、万が一ガラスが割れた際に、破片の飛散を軽減してくれる効果があります。二重カーテン(レースと厚手)であれば、より安全性が高まります。
暴風の際は、必ず全ての窓のカーテンを閉めておきましょう。また、窓際に家具や寝具を置かないことも大切です。
就寝中にガラスが飛び散った場合のリスクを避けられます。小さな工夫が大きな安心につながります。
停電に備えて懐中電灯や電池を準備しておく
暴風に伴う停電は珍しくなく、復旧までに時間がかかることもあります。そのため、懐中電灯やランタン、乾電池を事前に準備しておくことが重要です。
スマホのライトは便利ですが、長時間使うとバッテリーが切れてしまいます。
やはり専用のライトが安心です。また、モバイルバッテリーを充電しておけば、停電時でも情報収集や連絡ができます。
暗闇の中での移動は大きな事故につながるため、各部屋に最低1つは懐中電灯を置いておきましょう。
停電や断水の可能性があるため備蓄を準備
台風や暴風の影響で、電線の損傷や断水が発生することは珍しくありません。
冷蔵庫や電子レンジが使えなくなるため、非常食や常温保存できる飲料水も欠かせません。断水に備えては、1人あたり1日3リットルを目安に、数日分の飲料水を備蓄しておくことが推奨されています。
加えて、生活用水として浴槽に水を張っておくのも有効です。ライフラインが止まると想像以上に不便になるため、事前の準備が安心につながります。
トイレができなくなるのが一番困るかも・・・と思うので、著者は15年保存可能で消臭袋も付いている非常用トイレを常備しています。
外出時の注意
無理に移動せず、鉄道や飛行機の運休情報も確認
暴風が予想される日は、できる限り外出を控えることが最も安全です。鉄道や飛行機は早めに運休を決定することも多いため、事前に最新の運行情報を確認しておきましょう。
どうしても外出が必要な場合は、帰宅困難になる可能性も考え、宿泊先や代替交通手段を確保しておくことが大切です。職場や学校へも、無理な移動をしない方針を共有しておきましょう。
予定はキャンセルしても、命を守ることが最優先です。
歩行中は看板・電柱・ガラスの近くを避ける
暴風時に最も危険なのは、飛ばされたものや倒れたものによる二次被害です。
歩行中は特に、古い看板や電柱、ガラス張りの建物の近くを歩かないようにしましょう。
突風で割れたガラスが降ってくる危険もあるため、建物の壁際を避け、できるだけ広い道を選ぶのが安心です。
傘は強風ですぐに壊れてしまうため、レインコートやポンチョの方が適しています。子どもや高齢者と一緒の場合は、より慎重な行動が必要です。
車の運転はハンドルを取られやすく危険
暴風の中での車の運転は非常に危険です。
強風で車体が揺さぶられ、特に橋の上やトンネルの出口付近ではハンドルを取られやすくなります。軽自動車や背の高い車は特に横風に弱いため、走行を控えた方が安全です。
また、道路上の飛来物に気づくのが遅れると、大きな事故につながる可能性があります。
やむを得ず運転する場合は、スピードを落とし、両手でしっかりハンドルを握りましょう。可能なら運転自体を見合わせるのが賢明です。
まとめ
暴風は目に見えない分、油断してしまいがちですが、一瞬で生活を脅かす大きな脅威となります。
飛来物によるケガやガラスの破損、停電や断水など、二次的な被害も少なくありません。だからこそ、日頃から家庭でできる対策を積み重ねておくことが大切です。
植木鉢をしまう、雨戸を閉める、備蓄を整えるといった小さな行動が、命や暮らしを守る備えになります。災害は「いつか」ではなく「いつでも」起こりうるものです。
改めてご家庭の暴風対策を見直していただけると幸いです。
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Wrote this articleこの記事を書いた人

あかぐり
クレジットカードを使い続けて10年以上。初めてクレジットカードを作る人に向けて、また、サイトに来てくれた人の経験や知識に「ちょい足し」するべく、クレジットカードの実体験とお金に関する情報を発信しています。