土砂災害警戒区域と土砂災害の前兆を知る【命を守るために】

土砂災害警戒区域と土砂災害の前兆を知る【命を守るために】
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土砂災害 発生の現状

日本は地形や気候の特徴から、世界的に見ても土砂災害が発生しやすい国土環境を持っています。

国土の約7割が山地で、傾斜の急な土地が多く、雨水が一気に斜面を流れ下る条件が整っています。また、日本は梅雨や台風の影響で降水量が多く、短時間に集中的な豪雨が発生しやすい気候です。

近年は温暖化の影響で「線状降水帯」による記録的豪雨も増加し、土砂崩れの危険が高まっています。

火山が多く、火山灰や軽石が堆積した地盤は水を含むと崩れやすい性質を持ちます。

さらに、地震の多発地域であり、大きな揺れによって斜面の地盤が緩み、雨で二次的な崩壊が起きることもあります。

過去の災害履歴を見ると、全国の広い範囲で土砂災害が発生しており、被害は都市部にも及びます。特に住宅地が山際や谷筋に近い場所に広がっているため、人命や財産への影響が大きくなります。

都市化や道路・宅地造成によって斜面が削られ、不安定な地形が増えることも要因です。こうした地形・気候・社会的要因が重なり、日本は土砂災害への備えが欠かせない国となっています。

土砂災害警戒区域と土砂災害の前兆を知る【命を守るために】:引用 過去の土砂災害発生件数
引用:政府広報オンライン 土砂災害から身を守る3つのポイント あなたも危険な場所にお住まいかもしれません!
https://www.gov-online.go.jp/article/201106/entry-7545.html(参照:2025-08-09)

そのため、ハザードマップの確認や避難計画の事前準備が重要です。

日頃から危険箇所を意識し、安全な行動を取る習慣が命を守ります。


土砂災害警戒区域とは?

土砂災害警戒区域とは、大雨や地震などによって土石流、がけ崩れ、地すべりといった土砂災害が発生するおそれがある地域を、都道府県が指定した区域のことです。正式には「土砂災害防止法」に基づき指定され、通称「イエローゾーン」とも呼ばれます。

この区域に指定されると、市町村は住民への避難体制を強化し、ハザードマップにその場所が明示されます。家の建築や土地利用に制限は基本的にありませんが、災害時の危険性について十分な注意が求められます。

さらに、危険性が特に高い場所は「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」として指定され、建物の構造規制や開発制限がかかります。指定の目的は、被害を未然に防ぎ、命を守るための情報を住民に周知することです。

自宅や職場が土砂災害警戒区域に含まれているかは、市町村のホームページや国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。

なぜ区域指定があるのか?

区域を指定する目的は、災害の被害を最小限に抑えるためです。

指定されると、建物の構造制限や新たな宅地開発の規制、住民へのハザードマップ配布などの対策が行われます。行政が危険を知らせるための重要な指標です。

お住まいの地域が警戒区域かどうかは、市町村役場や自治体の公式サイト、または国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。家を建てる前、引っ越す前にも必ずチェックしましょう。


土砂災害の主な種類

土砂災害には主に「土石流」「がけ崩れ」「地すべり」の3種類があります。

土石流は、山や谷にたまった大量の土砂と水が一気に下流へ流れ出す現象です。その速度は時速40km以上になることもあり、建物や道路を瞬時に押し流します。

発生のきっかけは集中豪雨や火山噴火後の大雨などが多く、短時間で甚大な被害をもたらします。

がけ崩れは、急斜面の表面や内部の土が突然崩れ落ちる災害です。表面の土が雨で緩んだり、地震の揺れでバランスを崩すと発生します。

崩れる範囲は狭くても、直下の家屋や人を直撃する危険があります。

地すべりは、地盤全体がゆっくりと動く現象です。一見ゆっくりですが、範囲が広いため長期的かつ大きな被害を及ぼします。

特に雨が長く続いた後に発生しやすく、山間部や造成地で注意が必要です。

これら3つはいずれも発生前兆がわかりにくく、早めの避難が命を守ります。気象情報や自治体の避難情報を確認し、安全確保を優先することが重要です。


土砂災害の前兆

土砂災害には、発生の直前に現れる前兆現象があります。これらを見逃さず、早めの避難につなげることが命を守るカギです。

まず代表的なのが、山やがけから小石がパラパラと落ちる現象です。これは斜面の土や岩が緩んで崩れ始めている可能性が高く、放置すると大規模ながけ崩れや土石流に発展する恐れがあります。

また、普段なかった場所に新しい亀裂が地面にできるのも要注意です。地盤が移動している証拠であり、特に雨が続いた後に見られる場合は危険度が高まります。

さらに、がけや斜面から水が湧き出す場合も危険信号です。これは地下水の流れが変わり、土が飽和状態になっているサインで、崩壊の引き金になることがあります。

耳を澄ますと、山鳴りや地鳴りのような低い音が聞こえることもあります。これは斜面や地盤が動き出している音で、特に夜間や静かな場所でははっきり聞こえる場合があります。

また、斜面に生えている木が傾き始める現象も見逃せません。これは地盤ごと動いている可能性があり、地すべりの典型的な前兆です。

これらの兆候は単独でも危険ですが、複数同時に起きている場合は極めて危険な状態といえます。

大雨や長雨、地震の後は特に注意深く周囲を観察し、前兆があれば速やかに安全な場所へ避難することが重要です。

「まだ大丈夫」と思って留まることが、命を危険にさらす最大の要因になります。前兆を知り、迷わず行動できるように日頃から意識しておきましょう。


命を守るための避難行動

避難は「警戒レベル4(避難指示)」が出る前、警戒レベル3(高齢者等避難)の段階で開始するのが理想です。

夜間や雨が強まってからでは避難が困難になるため、少しでも危険を感じたら自主的に避難してください。

お住まいの地域に土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、地方自治体からの避難指示の発令(警戒レベル4)に留意するとともに、避難指示が発令されていなくても、キキクル(危険度分布)などを参考にし、家族・親戚や地域内の方々に声をかけあい、早めに近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。

特に、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、地方自治体からの高齢者等避難の発令(警戒レベル3)に留意し、移動時間を考えて早めに避難させることが大事です。夜中に大雨が予想される場合には、暗くなる前に避難することがより安全です。また、強い雨や長雨のときなどは、市町村の防災行政無線や広報車による呼びかけや緊急速報メールなどにも注意してください。

引用:政府広報オンライン 土砂災害から身を守る3つのポイント あなたも危険な場所にお住まいかもしれません!
https://www.gov-online.go.jp/article/201106/entry-7545.html(参照:2025-08-09)

災害に備える防災アイテム

土砂災害は突然発生するため、日頃から防災アイテムを準備しておくことが命を守る第一歩です。

まず必須なのが携帯ラジオやスマートフォン用充電器です。停電時でも最新の避難情報や警報を受け取れます。懐中電灯やヘッドライトも重要で、夜間の避難や停電時に安全な移動を助けます。

非常食と飲料水は最低3日分を目安に備蓄しましょう。災害時はライフラインの復旧に時間がかかる場合があります。

救急セット(包帯、消毒液、常備薬など)は、避難所や移動中のケガに対応できます。防水性のあるリュックに必要品をまとめ、すぐ持ち出せるようにしておくこともポイントです。

雨具や防寒具も忘れずに入れ、気温や天候の急変に対応できるようにしましょう。ヘルメットは落石やがけ崩れの際、頭部を守るために役立ちます。

また、身分証明書や保険証のコピーを防水袋に入れておくと、避難先での手続きがスムーズです。

ペットを飼っている場合は、餌やキャリーケースなども忘れずに準備しておきましょう。

日頃から中身を点検し、賞味期限や電池残量を確認しておくことが大切です。

万が一の時のために、ホイッスルを用意

万が一の地震や災害時には、建物や家具の下敷きになることも考えられます。そのような時、声を出して助けを呼び続けるのは非常に困難です。

そんな時に役立つのが「ホイッスル」です。

ホイッスルは、少しの息でも大きな音を鳴らすことができます。救助隊は、その音を頼りに生存者の位置を探します。

ホイッスルがあれば、体力を温存しながら助けを求めることができます。防災グッズの中に、小さなホイッスルを常備しておくことをおすすめします。

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まとめ

土砂災害は一瞬で発生し、逃げる時間がほとんどないケースも多くあります。

区域の確認、前兆の把握、そして早めの行動が命を守る最大の対策です。日頃から家族で避難経路や避難先を確認し、もしもの時に迷わず動ける準備をしておきましょう。

<記事を作成するにあたり参考にしたサイト>
東京都 建設局 土砂災害とは
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/river/dosha_saigai/kasenbu0084(参照:2025-08-09)
政府広報オンライン 土砂災害から身を守る3つのポイント あなたも危険な場所にお住まいかもしれません!
https://www.gov-online.go.jp/article/201106/entry-7545.html(参照:2025-08-09)

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Wrote this articleこの記事を書いた人

あかぐり

あかぐり

クレジットカードを使い続けて10年以上。初めてクレジットカードを作る人に向けて、また、サイトに来てくれた人の経験や知識に「ちょい足し」するべく、クレジットカードの実体験とお金に関する情報を発信しています。

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