
寒い季節に災害が起こると、私たちの体は想像以上に冷えやすくなります。
「とにかく厚着すればいい」のは間違ってはいませんが、温める場所を間違えると体はなかなか温まりません。
特に停電や避難生活では、暖房が使えないことも多く、寒さ対策は命に直結します。
では、限られた防寒グッズの中で、どこを優先して温めればよいのでしょうか?
この記事では、寒い季節の災害時に効果的に体を温めるポイントを分かりやすくご紹介します。
いざという時に慌てないために、今のうちに「正しい温め方」を知っておきましょう。
温めるべき3つの要所はここ!

首(頸動脈が通り、全身の温度に影響)
首には太い血管である頸動脈が通っており、
ここが冷えると冷えた血液が全身を巡ってしまいます。
逆に、首を温めると温かい血液が体中に行き渡りやすくなります。マフラー・ネックウォーマー・タオルでも十分効果があります。
災害時は防寒着が足りなくても、首を守るだけで体感温度が変わります。就寝時や夜間避難では特に冷えやすいポイントです。
風が当たらないようにすることも大切です。
「まず首」は、寒さ対策の基本と覚えておきましょう。
お腹(内臓の温度を守るのが最優先)
お腹には胃腸など、生命維持に重要な臓器が集まっています。
ここが冷えると、体は内臓を守るために手足の血流を減らします。その結果、全身が冷えやすくなり、体力も消耗します。
腹巻き・カイロ・タオルを巻くだけでも大きな効果があります。
特に女性や高齢者、子どもは冷えの影響を受けやすいです。食事が十分に取れない災害時こそ、お腹を冷やさない工夫が重要です。
寝る時も、お腹を温めると眠りやすくなります。「お腹を守る=体力を守る」と考えましょう。
◎足首(血流が止まりやすく、冷えやすい)
足首は心臓から遠く、血流が滞りやすい部位です。冷えると血管が収縮し、足先まで温かい血が届きにくくなります。
その結果、全身が冷えた感覚になりやすくなります。靴下の重ね履きや、足首まで覆う防寒が効果的です。
濡れた靴下は体温を一気に奪うため、早めの交換が重要です。避難所ではスリッパや上履きが冷え対策になります。
就寝時も足首を冷やさないよう意識しましょう。足首を守ると、体全体が温まりやすい」と覚えてください。
災害時に使える「効果的な温め方」

使い捨てカイロの正しい貼り方
使い捨てカイロは「貼る場所」がとても重要です。
首の後ろ・お腹(おへその下)・腰は特に効果が高いポイントです。
直接肌に貼らず、必ず衣類の上から使用しましょう。長時間同じ場所に貼ると低温やけどの原因になります。
就寝時は使用を控えるか、位置をこまめに確認してください。
足先が冷える場合は、足首や太もも付近が効果的です。体の中心を温めることで、手足まで温まりやすくなります。
「小さなカイロでも、貼り方次第で大きな差」が出ます。
手持ちの衣類でできるテクニック
防寒具が足りない時は、着方を工夫するだけで暖かさが変わります。シャツやタオルをお腹に1枚巻くだけでも保温効果があります。
首元はタオル・ストール・フードでしっかり覆いましょう。ズボンの中にレギンスやタイツを重ねると下半身が冷えにくくなります。
濡れた衣類は体温を奪うため、早めに交換を。
冬の厳しい寒さには、防寒具が足りなくなることは避けたいです。
いつでも避難できるように、防災アイテムの一つとしてダウンコートを用意しておくと安心です。
スポーツウェアを取り扱っているメーカーのものを選ぶとよいでしょう。
夜中に避難するとき、まず温めるべきは「首まわり」
夜中の避難では、気温が低く体温が一気に奪われやすくなります。
首まわりには太い血管が通っており、冷えると全身が冷えやすくなります。
マフラーやネックウォーマー、タオルでも十分な防寒になります。
フード付きの上着があれば、首から頭まで一緒に覆いましょう。
首を温めるだけで、手足の冷えも和らぎやすくなります。
使い捨てカイロがあれば、首の後ろに当てるのも効果的です。
眠っている間に起きた災害では、防寒が不十分になりがちです。
「まず首を守る」意識が、夜間避難時の体調を大きく左右します。
体を温める飲み物・食べ物

温かいお茶・お湯
災害時でも、体を内側から温めることはとても重要です。
温かいお茶や白湯は、冷えた体をゆっくり温めてくれます。カフェインの少ないほうじ茶や麦茶は、体への負担も少なめです。
お湯だけでも、内臓が温まり寒さによる不調を防ぎやすくなります。少量ずつ、こまめに飲むのがポイントです。
冷たい飲み物は体温を奪うため、できるだけ避けましょう。魔法瓶や保温ボトルがあると、温かさを長く保てます。
非常時こそ「温かい飲み物」が大きな安心につながります。
味噌汁や温めたご飯
味噌汁は、体を温めながら塩分と水分を同時に補給できます。
寒い環境では、塩分不足が体調不良を招くこともあります。フリーズドライ味噌汁は、防災備蓄としても優秀です。
温めたご飯は、エネルギー補給になり体温維持に役立ちます。
炭水化物は、体の「燃料」として重要な役割を持ちます。冷たいおにぎりより、少しでも温かいほうが効果的です。
ガスや電気が使える状況なら、優先して温めましょう。
「食べて温まる」ことは、心の安定にもつながります。
カップスープ
カップスープは、お湯を注ぐだけで作れる手軽さが魅力です。
温かく、味がついていることで満足感も得られます。コーンスープやポタージュは、子どもや高齢者にも飲みやすいです。
体を温めながら、少量でも栄養補給ができます。寒さで食欲が落ちているときにも取り入れやすい食品です。
紙コップや耐熱カップも一緒に備えておくと安心です。
夜間の避難所では、温かいスープが心身を落ち着かせてくれます。
「すぐ飲める温食」は、寒い季節の災害で大きな助けになります。
避難所での食事 栄養の偏りに注意
避難所の食事は、どうしても炭水化物中心になりがちです。
おにぎりやパンが続くと、たんぱく質やビタミンが不足しやすくなります。栄養の偏りは、免疫力低下や体調不良につながることもあります。
特に寒い季節は、体力を維持するための栄養が重要です。缶詰(魚・豆・肉)やナッツ類は、手軽に栄養補給できます。
野菜ジュースやフリーズドライの野菜スープも役立ちます。
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まとめ
寒い季節の災害では、「どう温めるか」を知っているかどうかが体調を大きく左右します。
首・お腹・足首といった要所を意識するだけでも、体の冷えはかなり防げます。
特別な道具がなくても、身近な衣類やカイロでできる対策はたくさんあります。
夜中の避難や停電時を想定して、事前に準備しておくことが何よりの安心です。
また、温かい飲み物や栄養を意識した食事も、体力維持に欠かせません。
「寒さ対策」は命を守る防災の一部だと考えておきましょう。
今日できる小さな備えが、いざという時の大きな助けになります。
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Wrote this articleこの記事を書いた人
あかぐり
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