
犬と暮らすことは、私たちに多くの癒しや喜びをもたらしてくれます。無償の愛情や信頼を与えてくれる存在として、犬は「家族の一員」として大切にされるべきです。
しかしその一方で、「かわいいから」「癒されたいから」という軽い気持ちだけで飼うのはとても危険です。犬にも命があり、感情があります。
そして、人間社会で共に暮らすためには、守らなければならないルールや責任があることを忘れてはいけません。
犬を飼う前に理解しておくべきこと
まず知っておきたいのは、すべての犬が人懐っこいわけではないということです。
過去のトラウマを持つ犬、警戒心が強い犬、怖がりな性格の犬もいます。迎えた犬の個性を理解し、焦らずゆっくり信頼関係を築くことが大切です。
また、犬は年を取ります。病気になることもあります。手術や通院が必要になるケースもあり、医療費がかさむことも少なくありません。
高齢になると、介護が必要になることもあります。飼い始める前に、その犬の「一生」に責任を持てるかどうか、家族でしっかり話し合いましょう。
飼育環境を整えることの大切さ
犬が安心して暮らせる環境づくりも、飼い主の大切な責任です。犬を迎えるにあたって、快適で安全な飼育環境を整えることは欠かせません。
豪雨や猛暑に備える
近年は豪雨や洪水、猛暑、豪雪など異常気象が増えており、犬もその影響を大きく受けます。たとえば、真夏の直射日光の下では熱中症のリスクが高まり、真冬の氷点下では体温を維持できなくなることもあります。
屋外飼育の場合は、断熱性のある犬小屋や日除け・雨除けの設置が必須です。台風や豪雨の際には、浸水を避けるため高台に避難できるスペースを確保する、室内へ入れるなど犬の安全を確保できるようにしましょう。
室内で飼育する場合も、冷暖房や除湿・加湿機能を使って温湿度を調整し、快適な空間を保つことが大切です。寒冷地では床暖房や厚手の寝床を、暑い地域では風通しの良い場所を用意すると良いでしょう。
犬の安全と健康は、住環境の工夫で守ることができます。近年の気候変動を「他人事」にせず、命を守る準備を日常から意識しましょう。
衛生面に配慮する
犬の健康を守るうえで、犬自身とその居住スペースの清潔を保つことは非常に重要です。
被毛に汚れがたまると皮膚炎の原因になり、ノミ・ダニの温床にもなります。定期的なブラッシングとシャンプーで皮膚トラブルを予防しましょう。また、犬が過ごすスペースも同様に注意が必要です。
食器や水皿は毎日洗浄し、トイレはこまめに掃除してアンモニア臭を防ぎます。ベッドやブランケットも定期的に洗濯することで、雑菌やダニの繁殖を抑えることができます。
フローリングやケージの床は消毒用アルコールやペット用クリーナーで拭き掃除を行いましょう。汚れた状態が続くと感染症や寄生虫のリスクが高まります。清潔な環境は、犬だけでなく飼い主にとっても快適です。
「犬はしゃべれない」からこそ、こちらが気づき配慮することが求められます。
飼い主として守るべきマナーと義務
犬を飼うということは、命を預かる責任を持つと同時に、社会の一員としてのマナーと義務を果たすことでもあります。まず法的義務として、年1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。これは人と動物の命を守るために欠かせないもので、接種後には市町村への登録が必要です。
また、迷子や災害時に備えて、マイクロチップの装着も重要です。首輪の名札だけでは外れてしまうこともありますが、マイクロチップは確実に身元を確認でき、保護された際に飼い主の元へ戻る可能性が高まります。
散歩中のフンの持ち帰りも、基本中の基本です。放置されたフンは、悪臭や感染症の原因になるだけでなく、地域住民の不信やトラブルのもとになります。必ずビニール袋などを携帯し、責任を持って処理しましょう。
さらに、無駄吠えやマーキング行為への配慮も大切です。特に集合住宅や住宅密集地では、近隣トラブルの原因になりかねません。しつけやトレーニングを通じて、飼い主がしっかりとコントロールしましょう。
散歩時にはリードを短めに持ち、他人や他の犬との不要な接触を避けることもマナーです。犬が苦手な人もいるという前提で、思いやりをもって行動することが求められます。
犬は人間の都合で社会に迎え入れられている存在です。だからこそ、飼い主は「うちの子は大丈夫」という思い込みを捨て、周囲への配慮を忘れないことが大切です。
飼う前に一度立ち止まることも大切
「かわいい」「飼ってみたい」と思った時こそ、まずは一度立ち止まって考えてみましょう。勢いで飼い始めると、手に負えなくなってしまった時に悲しい結末を迎える可能性があります。
実際、飼い主の無責任な行動が原因で「飼育放棄」や「多頭飼育崩壊」などの社会問題が起きています。
こうしたケースでは、命を守るために動物愛護センターや保護団体が奔走しています。犬の命を守るには、まず私たち一人ひとりの覚悟と知識が不可欠です。
自治体による補助金制度も活用しよう
一部の自治体では、犬の避妊去勢手術や予防接種に対して補助金(4,000円〜7,000円ほど)を出しているところもあります。マイクロチップの装着も補助金を出しているところもあります。
また、災害時にペットと一緒に避難できる体制を整える取り組みも進められています。
こうした制度は、飼い主にとって大きな支えになります。お住まいの自治体のホームページを確認し、ぜひ活用しましょう。
犬の飼育で困ったら動物愛護センターに相談を
犬を飼っていると、「無駄吠えが止まらない」「トイレを覚えてくれない」「散歩時に引っ張って困る」など、さまざまな悩みが出てくることがあります。そんなとき、一人で抱え込まずに頼ってほしいのが動物愛護センターです。
動物愛護センターは、犬や猫の保護だけでなく、飼育に関する相談窓口としても活用できます。しつけの悩みや飼育環境についての相談が可能で、専門スタッフが丁寧にアドバイスしてくれます。
また、多くの自治体では、しつけ教室や飼育セミナーを定期的に開催しています。正しいしつけの方法や犬との接し方を学べる貴重な機会で、参加は無料または低額な場合が多く、初心者にもおすすめです。
問題行動が大きくなる前に、早めに相談することが犬にも飼い主にもストレスを軽減する第一歩となります。悩みを我慢せず、専門機関を上手に活用しましょう。
まとめ
犬を迎えるということは、命を預かるという大きな責任を負うことです。
「犬も人も幸せに暮らす」ためには、事前の準備と理解が欠かせません。
ルールとマナーを守り、社会との共生を意識して行動することが、すべての命を守る第一歩になります。
犬との生活は素晴らしいものです。その一方で、簡単なことではありません。
愛と責任をもって、最後まで寄り添える関係を築いていきましょう。
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Wrote this articleこの記事を書いた人

あかぐり
クレジットカードを使い続けて10年以上。初めてクレジットカードを作る人に向けて、また、サイトに来てくれた人の経験や知識に「ちょい足し」するべく、クレジットカードの実体験とお金に関する情報を発信しています。