
「誰でも月5万円の不労所得が叶います」
「元手3万円が、たった1カ月で100万円に」
——そんな夢のような言葉に、つい心が動いてしまったことはありませんか?
SNSを通じた投資詐欺が、いま急増しています。
InstagramやX(旧Twitter)、LINEなどで出会った「うまい話を教えてくれる人」が、実はあなたの資産を狙う詐欺師かもしれません。
被害の認知件数・被害も増えている
SNS型投資詐欺の被害も増えており、警察庁の発表によると令和6年の被害額は前年の3倍と急激に増加しています。

https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/hurikomesagi_toukei2024.pdf(参照:2025-05-16)
「へえ、でも自分は詐欺にあわないから」
なんて他人事のように言っている場合ではありません。
こういった詐欺は、あなたが何もしなくても押し売りのように向こうから強引にやってくるのです。
投資詐欺ではなくても、家のリフォームもそうでしたよね。勝手に家に上がり込んで家を壊すなど。
とんでもない話ですが、悪意のある人間は強引にあなたの元に来て、全てを奪おうとすることも厭わないのです。
SNS型投資詐欺の典型的な手口
警察庁はSNS型投資詐欺について下記のように注意喚起しています。
引用:警察庁 著名人になりすましたニセ広告急増!「著名人による無料の投資セミナー」「必ずもうかる」など、甘い言葉にご用心!
インターネット上に著名人の名前・写真を悪用した嘘の投資広告を出したり、「必ずもうかる投資方法を教えます」などとメッセージを送るなどして、SNSに誘導し、投資に関するメッセージのやりとりを重ねて被害者を信用させ、最終的に「投資金」や「手数料」などという名目で、ネットバンキングなどの手段により金銭等を振り込ませる詐欺です。
一度だまされると、詐欺と気付くまで、お金を何度も振り込んでしまい、1,000万円以上の高額被害になってしまうことも。
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/investment/(参照:2025-05-16)
まず、詐欺師は「投資で成功した風」を装い、SNSにそれらしい投稿を並べます。最近では著名人の写真を悪用して著名人が保証をしているかのような画像をSNSに投稿する組織もあります。
高級車の写真、豪華な食事、海外旅行の写真…。そして、あなたの投稿に「いいね」や「コメント」をしてきたり、DMで声をかけてきたりします。
ここで注目すべきは「すぐに投資の話をしてこない」こと。
「週末はどのようにして過ごしますか」「今日はどうされましたか」など、あなたと信頼関係を築くために何気ない日常の会話を1ヶ月〜数ヶ月続けます。
そしてある程度信頼関係が築けたところで副業や投資の話を持ちかけるのです。
そこからはLINEへ誘導され、いわゆる「投資サロン」や「限定グループ」への参加を促されます。中には、偽の実績画面や、グループの仲間(サクラ)による好意的なコメントで安心させる巧妙な演出もあります。
そして投資のためにお金を振り込ませると、利益が出ていると見せかけて安心させ、数ヶ月後に音信不通になります。
「なぜ騙されるのか」を理解しよう
SNSでの華やかな写真や生活から「羨ましい」という心理を植え付けられる
SNSには高級車、豪華な食事、海外旅行など成功者の象徴があふれています。
それを見た私たちは「自分もああなりたい」と無意識に思わされます。詐欺師はその「羨望」の感情に巧妙につけ込みます。「あなたもできる」「簡単に稼げる」という誘い文句が刺さるのです。
しかし、映えの裏側には、現実離れしたウソが潜んでいます。
今後の生活不安から「少しでもお金を増やしたい」と思っているところにつけ込まれる
将来の年金、物価高、収入減…私たちは常にお金への不安を抱えています。
「少しでも増やしたい」という切実な気持ちは、誰にでもあるものです。詐欺師はそこに目をつけ、「簡単に稼げる方法がある」と近づいてきます。
冷静さを失えば、正常な判断はできません。焦りは最大の敵――まずは一歩引いて、疑う心を持ちましょう。
投資初心者は、「何を信じればいいか分からない」状態で話を聞いてしまうため、判断を誤りやすくなる
投資初心者にとって、専門用語や仕組みは難しく、判断基準も曖昧です。
そんな中で親切そうな人物から「教えてあげる」と近づかれると、信じたくなります。
でも、それは本当に信じていい情報でしょうか?知識がない状態は、それだけでリスクになります。学ぶ前に動かず、まずは正しい知識を得ることが最大の防御です。
投資初心者さんは金融庁が公開している「高校生のための金融リテラシー講座」を見てみましょう。信頼できる情報が優しい言葉で書いてありますよ。
「少額からOK」「あなただけに特別案内」など、あなただけへの特別感を出す
「少額から始められる」「あなただけに特別にご案内」――この甘い言葉にご用心。
人は「特別扱い」されると、冷静さよりも嬉しさが勝ってしまいます。詐欺師はその心理を巧みに利用し、信頼を引き出します。
でも、本当に価値ある情報は、不特定多数にばらまかれません。特別感の裏には、あなたを狙った罠が潜んでいるかもしれません。
自分は騙されていないという誤った自信
「自分は大丈夫」「騙されるのは知識のない人だけ」――そんな自信が一番危険です。
詐欺師は“賢い人”にも通用する手口で近づいてきます。
むしろ、自信がある人ほど警戒を怠りやすいのです。詐欺は信じたい気持ちに忍び寄ります。
「自分だけは大丈夫」ではなく、「誰でも騙される可能性がある」が正解です。
実際にあった詐欺事例
実際にあった詐欺事例をご紹介します。
SNS型投資詐欺にあった40歳の男性Aさん。2年前、知らない女性からInstagramをフォローされました。
シングルマザーと称する女性は、ブランド品や頻繁な旅行など、華やかな写真をたくさん投稿しており、Aさんも「いいなあ」と思ったそうです。
そんな時、突然DMが届きます。バイナリーオプション(為替相場の上げ下げを予想して行う取引のこと)の誘いです。
Aさんは「確実に勝てるタイミングで為替相場の上げ下げを予想できる」というシステムを40万円で購入します。ですが、Aさんは全く勝てませんでした。
また、最初に成功体験をさせて、その後により多額のお金を口座に振り込ませて音信不通になるケースもあります。
著名な投資家を名乗る人物の講座を受け、その後投資案内を名乗る担当とLINEでやり取りを行います。
被害者に少額から投資を行わせ、利益が出ていると嘘の報告を行い被害者をその気にさせ、多額の投資を行うように迫ります。
その後連絡が途絶え、投資したお金が引き出せなくなるといった手口です。
被害を防ぐために、気をつけるべきポイント
気をつけるべきポイント(投資先が実在しているか、著名人がなりすましではないか、振込口座が振込のたびに変更になる)などは警察庁サイトに詳しく掲載されています(詳しく&わかりやすく説明してくれているので、日本人全員このサイトを見た方がよいと思います!本当に!!)。
また、過去記事でも紹介しているので、今回は別の切り口でお伝えしたいと思います。
ただひとつ。SNS上の儲け話は無視する!
SNS型投資詐欺はSNSを介して詐欺にあうんですよね?
であれば、SNSで知った儲け話に手を出すのをやめましょう!!
よい儲け話があなただけに転がり込むことはない
「あなただけの特別な・・・」と言われると満更でもない気分になることはよくわかります。
ですが、悲しいことに良い儲け話があなただけに転がり込むことはありません。
あなただけの特別は無いのです!本当に!
そもそも、儲け話を持ちかける人間は、どうして儲け話をあなたに教えるのでしょうか?
儲け話って、他人に教えたくないと思いませんか?
他人が何かを持ちかける時、持ちかけた人間に利益が出るはずです。
「あなたのため」と言いながら、実際には話を持ちたけた人間しか儲からないのです。
「どうして自分が誘われているのか?」について考える必要があります。
最後に:本物の投資は、非常に地味で地道
「絶対儲かる」「リスクゼロ」なんてものは、現実には存在しません。
資産形成は時間をかけて行うもので、知識と経験、そして冷静な判断が必要です。
そして、本物の投資は、非常に地味で地道。
「株式市場は、せっかちな人から忍耐強い人へお金を移す装置だ」
——これは投資の神様であるウォーレン・バフェットの言葉です。
投資で成功するためには、派手なテクニックや一発逆転の賭けよりも、「退屈」とすら思える長期戦が必要です。
日々の値動きに一喜一憂せず、堅実な企業に投資し、配当や成長をじっくり待つ。
これこそが、バフェットが実践してきた「本物の投資」の姿です。
その姿勢が、時間と共に確かなリターンをもたらします。派手さより、堅実さ。
それが本当の「勝者のマインド」です。
「儲けたい」気持ちを利用されないよう、SNSでの甘い話にはくれぐれもご注意ください。
<記事を作成するにあたり参考にしたサイト>
警察庁 著名人になりすましたニセ広告急増!
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/investment/(参照:2025-05-16)
金融庁 高校向け 金融経済教育指導教材の公表について
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/20220317.html(参照:2025-05-16)

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Wrote this articleこの記事を書いた人

あかぐり
クレジットカードを使い続けて10年以上。初めてクレジットカードを作る人に向けて、また、サイトに来てくれた人の経験や知識に「ちょい足し」するべく、クレジットカードの実体験とお金に関する情報を発信しています。